
カホンの選び方 | カホンを買う前に知っておくべきこと
カホンはその種類が実に多いので何を基準に選べばよいかわからないと思っている方も多いのではないでしょうか。
カホンの構造はシンプルで、そのサウンドキャラクターを作っている要素は主に次の3つ
- サイズ
- 響き線
- 箱材
この3つはカホンの音に関係する要素なので、知っておくことで今後のカホン探しにとても役立ちます。
ぜひ、この機会に頭にいれておきましょう。
1.サイズの選び方について
カホンのサイズと音の関係性
標準となるカホンのサイズは高さ460〜500mm×幅300mm前後×奥行き300mm前後です。
初めてカホンを選ぶときはまずはこのへんのサイズをおすすめします。
ご存知かとは思いますが、楽器はカホンに限らずサイズが大きくなるほど音域が低く、逆に小さくなるほど音域が高くなります。
この特性を知った上で自分の好みに選ぶよいですが、特にカホンを選ぶ際に大事なことは低音域〜高音域の音のバランスです。
カホンは叩く場所によって多彩な音を引き出すことができ、それぞれの音のコントラスト(低音域〜高音域までの音の差)がはっきりしているほうがよいです。
標準的なサイズより大きいモデルのカホンは低音域が充実しますが、ハイやミドルを叩いたときのキレが落ちる傾向があります。シュラグヴェルク/ベースカホンは幅が500mmほどあり、それだけ楽器を鳴らすのも大変ですが、さすが低音のインパクトは強烈です。
小さいサイズのものはコンパクト・カホンやボンゴ・カホンとして扱れ、低音は鳴らないものの小型で軽量なのでアウトドアのセッションやちょっとした効果音などに使われます。
2.響き線の選び方について
響き線とは
カホンの打面裏側には響き線(スナッピー)というものが接触するように張られており、打面を叩くことで楽器そのものの鳴りと同時に「ジャッ」といったサウンドを得ることができます。
原理はスネアドラムと同じで、ほとんどのモデルのカホンに装着されています。
響き線のタイプはワイヤータイプとスナッピータイプに分けられます。
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ワイヤータイプ | スナッピータイプ |
一般的に2本〜8本のギターの弦が張られているタイプです。低音〜高音まで全体的に響き線の音が混じるトラディショナルなサウンドです。張り具合を調整できるモデルが多く、締めることでキレのあるタイトな音に、緩めることで暴れる感じのオープンな音になります。 | シュラグヴェルクの2inOneシリーズをはじめとした、スネアドラムで使用されるスナッピーを採用したモデルです。高音域(ハイやスラップ)の繊細なタッチにもしっかり反応してくれます。また、スナッピーの上部付近にしか接触していないので、低音(バス)を叩いたときにはスナッピー音はほとんど混じらないのも特徴です。 |
音の好みもあるでしょうが、音楽スタイルに合わせた選び方をするのが良いと思います。
ワイヤータイプはカホン発祥のペルー音楽はもちろんのこと、フラメンコやサンバなどのエスニック系の音楽にマッチします。使っているのがギター弦なので、特にフラメンコ・ギターとの相性は○。
スナッピータイプはベース音、スネア音(スナッピーの音)がはっきり分かれているのでポピュラー音楽全般、特にドラム・パターンを演奏するにはこちらのタイプのほうがよいです。
3.箱材の選び方ついて
カホンに使われている材質は一部のものを除いて木材ですが、その種類は各メーカー多種多様です。
使われている材質そのものを詳しく調べる必要はないですが、カホンのサウンドキャラクターに直接影響する要素でもあるので、自分の叩いた楽器の素材だけでも頭に入れておくとサウンドの傾向を把握できるので、今後の楽器選びに役に立ちます。
なので、箱材の選び方というよりは、「自分の求める音のカホンを探してその材質が知る」といった感じです。
ちなみにカホンに多く採用されている木材はビーチ材、バーチ材、メイプルをはじめエボニー、マホガニー、パイン材、チーク材などのマイナーなものまであります。
低音から高音までバランスよく出るビーチ材を基準に、低音よりの太い音を出したいならバーチ材やエボニー、柔らかくまとめたいならメイプルなどが選択肢になるでしょう。
また、同じ材質でも厚さによってもサウンドは変わります。
DG(DE GREGORIO)というメーカーは他のメーカーに比べ、打面の板の厚さが薄くその中でもYaquiというモデルは2mmという極薄仕様です。
そのため、打面裏に張られた響き線の反応は良く、初心者でも鳴らしやすいですが、その反面、全体的に音の輪郭がぼやけてしまう傾向にあります。
カホンを手にするのが初めての方は、材質をあまり気にせずに、いろんな種類のカホンを叩いたり聴いたりしてお気に入りの音を見つけるのがいいと思います。
〜まとめ〜
ここではカホンの選び方を3つのポイントから解説しましたが、いかがだったでしょうか。
カホンはシンプルでありながら多彩なサウンドを引き出せるので「魔法の箱」とも呼ばれます。
ドラムセットと違って気軽に演奏できるスタイルなので、これから楽器を始めてみようとする方にカホンを最初に手にする打楽器としておすすめしています。
私もすっかりこのカホンという楽器の魅力にとりつかれて、その楽しさ、すばらしさを伝えるためにもジャンルを問わずあらゆる場面で積極的に取り入れるようになりました。
当サイトではカホンに関する製品情報やその特徴、参考動画、価格比較もできるようになっていますので購入時の検討・比較にご活用できるかと思います。
ぜひお気に入りの1台を見つけてよりよい音楽ライフを送ってください!