
『宝島』をカホンで叩いてみよう! 〜カホンで奏する名曲シリーズ〜
前回に引き続き、「カホンで奏する名曲シリーズ」と題して有名な既存曲をカホンにアレンジしていきたいと思います。
今回挑戦するのは、『宝島』です。
爽快感あふれるドラムのリズムを感じ取りながら楽しくカホンで演奏してみましょう。
『宝島』について
『宝島』は日本のフュージョンバンド、T-SQUAREの曲の1つです。
1986年に発表された曲ですが、今だ人気は衰えず、20年近く経った現在も様々な形・編成によって広く演奏されています。
その中でも吹奏楽用にアレンジされたものが特に人気があり、吹奏楽ファンであれば誰でも知っている定番曲となっています。
ちなみに、吹奏楽版は曲頭がアゴゴのソロから始まり、途中の打楽器ソロでサンバホイッスルが加わったりといった賑やかなサンバ風の曲調に仕上がっています。
参考までに、原曲と吹奏楽アレンジ版、両方の動画リンクを貼っておきます。
『宝島』の楽曲構成と4つのリズム・パターン
ここでは、原曲のドラムをもとにしたカホン・アレンジを紹介します。
『宝島』のドラムのリズム・パターンは曲の展開に応じて、大きく4つのリズム・パターンに分けられます。
まずは曲の全体の流れ(楽曲構成)を把握した上で、場面ごとのリズム・パターンを見ていきましょう。
<楽曲構成>
『宝島』は大きく5つの場面から構成されており、ここでは仮にそれらを「イントロ」、「A」、「B」、「C(サビ)」、「間奏(ピアノソロ)」とします。
曲全体の流れ
イントロ → A×2 → B → C×2 → イントロ → 間奏(ピアノソロ) → B → C×8 → イントロ
<場面別リズムパターン>
イントロのリズム
ドラムの譜例 | カホンへのアレンジ・パターン |
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この曲は全体を通して上の譜例のように、16分音符を主体とした16ビートで構成されています。
イントロはスネアドラム(カホンでいうハイ)を使わず、2拍目、4拍目にバスドラムを入れることで“横の流れ”を崩すことなくキュッっとビート感を締めています。
カホンでの演奏ポイントは、タッチはやや軽めに、ロー(低音)は他の楽器の人にテンポを提示してあげるつもりでしっかり叩くことです。
Aメロ&間奏部のリズムパターン
ドラムの譜例 | カホンへのアレンジ・パターン |
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2拍目のアクセントを抜き、リズムにゆったりとした幅をもたせています。
伸び伸びとした旋律とゆったりとしたビート感の中で、ギターやキーボードは複雑なリズムを刻んでいるので意外にアンサンブルが難しいところでもあります。
なので、他の楽器が安心して演奏できるように4拍目のアクセント(ハイ)は「この音に集まれ〜」といった感じでしっかりと打ち込みましょう。
このような2拍目を抜いた16ビートパターンはカホン講座第5回の変則ビートを叩いてみよう!でいくつか紹介しているので、詳しい練習方法やコツはそちらを参照していただければと思います。
Bメロのリズムパターン
ドラムの譜例 | カホンへのアレンジ・パターン |
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スタンダードな16ビートパターンです。
それまで抜けていた2拍目のアクセントと1拍目の低音が加わり、Aメロより少し生き生きさせると同時にサビに向かう前兆として何かを期待させるニュアンスを演出しています。
雰囲気が変わるとともにテンポが速くなったり遅くなったりしないように、しっかりとしたビート感を持って演奏しましょう。
Cメロ(サビ)のリズムパターン
ドラムの譜例 | カホンへのアレンジ・パターン |
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最も盛り上がる場面です。
低音のリズムはBメロを引き継いでいますが、大きく変わったとことは2拍目のアクセントのタイミング。
それまで2拍目の拍頭に入れていたアクセントを16分音符1つ分ずらすことで独特な“タメ”を創り出しています。
この曲(パターン)を作った人のちょっとした遊び心が垣間見える部分でもあり、個人的にもこの緊張感あるリズムパターンはとても気に入っています。
実はベースパートは曲の終始ほぼ変わることなく、この2拍目の16分裏を強調させるパターンを弾いています。
そこに伴奏楽器全体が集まることでグルーブ感が生まれているのが感じられますね。
楽譜だけでは分かりずらいと思うので、実際にカホンで演奏した動画を準備ができ次第、こちらのページにアップしたいと思います。
お楽しみに!