
変則ビートを叩いてみよう! | 初心者のためのカホン講座 第5回
今回紹介するカホンのリズム・パターンは、前回までとは少し変わったパターンです。
どこが変わったかというと、2拍目の頭です。
“アフタービート”または“バックビート”といわれる基本的なスタイルは2拍目と4拍目の頭にアクセントをつけるところにありますが、以下のリズムパターンのように2拍目のアクセントを「なくす」または「ずらす」ことでフレーズ感がどのうように変化するか感じ取りながら練習してみましょう!
“アフタービート”、“バックビート”とは?
現在、ロックやジャズなどのポピュラー音楽のほとんどが“アフタービート”または“バックビート”といわれるスタイルです。
その特徴は、偶数拍である2拍目と4拍目を強調するところにあり、ロックやポップスなどにおいてはドラムセットであればスネアドラム、カホンではハイやスラップを打つことでその拍の頭を強調する場合がほとんどです。
ジャズの基本奏法である「チーチッキチーチッキ」といったシンバルレガートではハイハットシンバルをペダルで開閉させることで強調をつけます。
今回紹介するような2拍目を抜いたリズム・パターンも基本的には“バックビート”といわれるものです。
バラードなどゆったりとした幅を効かせたい場面や曲の間奏部分、また手数を多くしたパターンはファンク・フュージョンなどに多く使われます。
2拍目の頭のアクセントをなくしたリズム・パターン
リズム・パターン@ |
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リズム・パターンA |
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リズム・パターンB |
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リズム・パターンC |
練習ポイント
2拍目頭にアクセントがないことで4拍目のハイがより重要になってきます。
また、フレーズの重心をこの4拍目に置くことで、落ち着いた説得力のあるニュアンスを演出できます。
具体的な叩き方のコツとしては、4拍目に向かうようなイメージでそれ以外のハイを軽めに、4拍目のハイはしっかりと叩き込むことです。
フレーズの落ち着くポイントが4拍目なので、1,2,3拍の拍感(テンポ感)を見失いがちになってしまいます。
拍感を見失っているときは、だいたいテンポが速くなったり遅くなったりしている場合が多いです。
そうならないためにも、いつも以上に“拍の意識”を持つように心がけましょう。
メトロノームに合わせて練習するのもよいですが、「ワン、ツー、スリー、フォー」と声に出しながら演奏するとより効果的です。
声に出しながら演奏する方法は慣れるまでかなり難しく感じるかもしれませんが、この練習方法は打楽器演奏においてとても都合のよい感覚が身に付くので頑張ってマスターすることをおすすめします。
リズムパターンA、B、Cは基本の形に音数を加えたいわゆる“手数を多くしたパターン”ですが、3つの奏法の切り替えが忙しいので、余裕をもって演奏するようになるまではある程度の“慣れ”も必要になってくるでしょう。
奏法の切り替えには慣れたけど、「フレーズ感が出ない」「音がごちゃごちゃしてまとまりがない」などと悩みを抱えた向上心のある方には・・・
を併せて練習することもおすすめします。
スネアドラムの基礎練習メニューですが、打楽器演奏に共通する基本的な奏法である
- アップストローク
- ダウンストローク
- タップストローク
が身に付く練習になっています。
この奏法を身に付けることでスムーズに音の強弱をつけることができるので、フレーズにより立体的なニュアンスを加えることが可能になるのです。