シンバルの選び方 | シンバルの音を左右する4つの要素

シンバルの選び方 | シンバルの音を左右する4つの要素

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シンバルの選び方 | 知っておくべき4つの要素

一言にシンバルと言っても、その数と種類が豊富にあるが故、どのメーカーからどういう基準で選べばよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
シンバルには1枚1枚の大きさ、形などは様々で、もちろん音質もメーカーやシリーズごとに違います。
では、そのシンバルのサウンドキャラクターを左右している要素はどのようなものがあるのでしょうか。

 

シンバルのサウンドを左右する主な要素は

  1. サイズ
  2. ウェイト
  3. 素材
  4. 製造過程

です。
この4つの要素とシンバルの音との関係性を知ることで自分の求めるシンバルサウンドの方向性が見えてくるので、ご存知ない方はぜひこの機会に頭に入れておきましょう!

 

それでは、早速この5つの要素と音の性質にどのような関係性があるのか解説していきます。

@.シンバルのサイズについて

シンバルの選び方 | シンバルの音を左右する4つの要素

シンバルの大きさは主にピッチ(音程)に影響します。
もちろん、他にも音量、サステイン(余韻)、またはレスポンス(音の立ち上がり)にも影響してくるのですが、その中でもピッチの高さに大きく影響します。
具体的には、右の表のように同じ素材や厚さにおいて、シンバルのサイズが大きいほどピッチが低く、小さいほどピッチが高くなります

 

 

シンバルはドラムセットにおいて、役割の関係上、クラッシュ、ライド、ハイハット、スプラッシュ、チャイナのような種類に分類されていますが、実はそれはサイズの違いによる部分が大きいのです。
小さい順に言えば、一般的にスプラッシュは6〜12”、ハイハットは13〜15”、クラッシュは14〜19”、ライドは18〜24”といったように。
それらの大きさの異なるシンバルを組み込み、使い分けることでバリエーションに富んだドラムセットというスタイルが出来たのでしょう。

 

例えば、クラッシュシンバルを2枚以上使う場合、16”&18”または14”&16”&18”などのようにサイズの異なるシンバルを組み込むことで表現の幅は広がりますね。
ただ、それぞれのサイズごとに決まった音程があるわけでなく他の要素の違いや製造工程でも多少の差(個体差)があることも頭に入れておきましょう。

 

A.シンバルのウェイトについて

ウェイトとは厚さのことで、音量、サステイン(余韻)、レスポンス(立ち上がり)、ピッチに影響する要素ですが、その中でも特に関係してくるのは音量、というか“重量感”というニュアンスのほうがわかりやすいでしょうか。
厚みがあるほどボリューム感が増しパワフルなサウンド、薄くなるほど繊細でソフトなサウンドになります。
その他の要素としては厚みが増すほどサステインは長く、レスポンスは遅く、ピッチは高くなる、といった傾向があります。
ちなみに、ウェイトの種類は薄い順に【Extra Thin(Paper Thin)】、【Thin】、【Medium Thin】、【Medium】、【Medium Heavy】、【Heavy】、【Extra Heavy】などがあります。

 

 

B.シンバルの素材について

シンバルの素材は主に銅、錫、銀などの合金ですが、その配分割合の違いや製造過程の違いでそれぞれのシリーズに分類されているのです。
ZildjianとSABIANはその配分割合の違いで【キャスト・シンバル】(銅80%+錫20%+銀微量)と【シート・シンバル】(銅92%or88%+錫8%or12%)の2つのタイプに分けられ、前者は豊かな音色と優れた耐久性、後者は明るくタイトな音色が特徴です。

 

どちらのほうが良いなどの正解はなく、ジャンルや自分の音楽スタイルに合う方を選ぶと良いでしょう。
ちなみに、私は音楽の方向性や好みなどの理由で音楽に溶け込みやすいキャスト・シンバルしか使用していませんが・・・

 

C.シンバルの製造過程について

製造方法は各メーカーによって多少異なりますが、シンバルのサウンドキャラクターを大きく左右させる要素にはシンバルの製造過程で異なる「形状」「ハンマリング」があります。
この2つの具体的なシンバルサウンドとの関係性は下記の通りです。

形状

ほとんどのシンバルが弓なりに曲がった形をしていますが、そのカーブがきついほど音量が大きくピッチも高くなり、逆にフラットに近くなるほど音量は小さくドライなサウンドになります。K Zildjianにライトフラットライドがありますが、とてもソフトな音色でなにか違和感さえ感じてしまいます。気になる方は動画をご覧くださいね。
シンバルカップ(ベル)の大きさも音に関係しており、大きいほど音量も倍音も豊かになります。

ハンマリング

シンバル表面を手作業、または機械によってハンマリングすることでその音色が決定付けられます。
機械でその大きさや間隔を均等にされたものは倍音や響きがまとまり、音色は明るくなる傾向。
また、職人の手によってランダムにハンマリングされたものは、倍音豊かでダークな音色に仕上がる傾向にあります。