打楽器の役割 〜ポピュラー音楽〜

打楽器の役割 〜ポピュラー音楽〜

MENU
      このエントリーをはてなブックマークに追加  

打楽器の役割 〜ポピュラー音楽〜

 

ポピュラー音楽

 

皆さんご存知の通り、ポピュラー音楽の中で「ドラムセット」は欠かせない存在です。(バンドや曲によってはドラム以外の様々な打楽器を扱うパーカッショニストが編成に加わっている場合も少なくありませんね。)

 

 

リズムの要

 

一般的にポピュラー音楽の世界では“リズム・セクション”と言えば、まずビートを作りだすドラマーとベーシストを指します。そして、リズムの要になるのは、やはりドラムでしょう。
ボーカルや他の楽器(ギターやキーボードなど)はドラムが打ち出すビートに乗って演奏します。
イメージとしては“乗客を乗せている運転手”といったところでしょうか。
自分がバンドのリズムの軸・支えとなり、そこに他の演奏者が乗っかっている感じです。

 

まず、ドラマーはこのような役目を担っているということを頭に入れておく必要がありますね。
他の演奏者はドラムのビートを頼りにしているのです!

 

また、ドラムがバンドの土台であることはレコーディングの方法にもあらわれています。
レコーディングの順番はリズムの要であるドラムを最初に、その後はベース→ギター→ボーカルといった感じで進められるパターンがほとんどです。
他のパターンとしては、リズム隊のドラムとベースを一緒に録る方法や、全員で一緒にまとめて録る「一発録り」などがあります。

 

 

テンポキープ

 

現代のポピュラー音楽のほとんどが、曲初めから終わりまでテンポが一定です。
これは音楽がダンスや踊りとともに流行してきた影響が大きいでしょう。
マイケル・ジャクソンなど多くのアーティストが音楽とダンスを強く関連づけていますね。

 

そして、ドラマーにはテンポキープ(正確なテンポを維持すること)が求められます。
アンサンブルの現場でも「走ってる!(テンポが速くなる)」や、逆に「もたれる!(テンポが遅くなる)」といったテンポに関する指摘は多いでしょう。
それゆえ、テンポキープにとても神経質になり、他の楽器を耳に入れることなく、まるでリズムマシーンのように機械的に演奏してしまう方もいます。このように“機械汚染”された考え方に陥るぐらい、“テンポキープ”というのはドラマーにとって大きな課題となっています。

 

もちろん人間なのでメトロノームのような一寸の狂いもないテンポ維持は不可能なのです。
だからといってテンポがぐらぐら揺れるようではそれはそれで問題なので、各プレイヤーより正確性を高めるためにいろんな工夫をしています。
ライブやレコーディングの際にイヤホンなどでクリック音を聴きながら演奏するプロドラマーも少なくありません。

 

たしかに、一定のリズムが刻まれることで、他の演奏者も安心してそこに乗っかり、それに合わせて踊る人もストレスなく気持ちよく体を動かすことができるのかもしれません。

 

“一定に進んでいく美学”みたいなものがポピュラー音楽には存在するのです。
一定に刻まれるリズムには、人を心地よくさせるなにかがあり、人間は本能的に“それ”を音楽の中にも求めているのでしょう。

      このエントリーをはてなブックマークに追加